2022/07/13
リバースブロックとは、浮上時に中耳腔内の空気の体積が増えていく時に、速やかにその空気が上咽頭に排泄されない場合におこります。鼓膜が強く外側に押されて、破れそうになるため、激しい痛みが出ます。実は、鼓膜にはもう1つ別の第二鼓膜(正円窓、卵円窓)というものが、中耳と内耳の間にあります。この第二鼓膜までが強く押されると、その先には平衡感覚を司る三半規管などがありますので、激しい回転性のめまいが起こるのです。その第二鼓膜が一部破れると内耳のリンパ液が漏れ、聴力が低下していきます。これが、ダイバーならば誰もが習ったことのある外リンパ漏です。
ダイビング中でめまいが起こった場合の対処法は
①まずは目を瞑って
②出来るだけゆっくりと深呼吸
③身体(特にフィン)を動かさない
④岩や潜行ロープがあれば掴む
⑤唾をゆっくりのむ
⑥落ち着いてきたら、一度少し元の深さに戻り、ゆっくりと浮上
目が回っている時には、自分の意志とは無関係に目が激しく動いています。これを眼振と言って、めまいの診察では必ず検査します。この眼振があると、周囲の風景が回って見えてしまうのです。ですから、めまいが起こったらば、まずは目を閉じること。そして、数をゆっくりと15数えて下さい。その後ゆっくりと目を開けると、めまいは軽くなっているはずです。まだめまいがあれば、もう一度同じことをすると、たいていはめまいが消えています。大半は30秒以内には激しいめまいは消えるからです。リバースブロックは元の深さまで戻れば楽になりますが、パニックを起こさないためには、むしろその場を動かない方がいいと思います。その後、唾を飲んだり、元の深さにもどるなどして、中耳の圧を調整します。落ち着いたらば、出来るだけゆっくりと浮上して下さい。
一度同様のことを経験されたり、心配なようでしたら、ダイビングとめまいに詳しい耳鼻咽喉科の医師を受診して下さい。