横浜市南区弘明寺のアレルギー科・耳鼻咽喉科
いでい耳鼻咽喉科医院

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【No.109】舌下免疫療法が効いていない⁈

スギ花粉症の根本的治療としての舌下免疫療法があり、最近ではこの治療を行っている方が増えてきました。でも、今年はあまり効いている感じがしない、と感じられる方も少なくはないのではないでしょうか。そんな方にお話をします。

まず、適正に治療が行われたかどうかを確認して下さい。
毎日続けられたか?
治療は昨年の11月(少なくとも12月)までに開始したか?

今年はスギ花粉の大量飛散だったため、例年と同じくらいの症状ならば、効いているとも考えられます。スギ花粉量は年によってかなり違うからです。ちなみに昨年までの数年は少なかったのです。

生活スタイルが大きく変わりませんでしたか?コロナ下の生活制限が緩和され、マスクを付けなかったり、日頃の外出や旅行が増えているならば、より多くの花粉を吸い込んだ可能性があります。

ヒノキ、ハンノキ、シラカンバなどの花粉症はありませんか? これらの花粉はスギ花粉とほぼ同時期に飛散します。スギ花粉の舌下免疫療法はスギ花粉に対してだけしか作用はありません。

ダニ、ハウスダスト、ペットのアレルギーは有りませんか? これらのアレルギーは、寒い季節に症状が強くなる傾向があります。寒い季節には洋服や布団が厚くなり、換気が少なくなり、ペットの毛は長くなるためです。室内で症状がより強くなるならば、今までこれらのアレルギーがなかったとしても、合併した可能性はあります。

体調が悪かったり、ストレスが強くないですか? これらの状況でアレルギー症状が強くなることが知られています。また、疲労や睡眠不足も同様です。

治療開始してから花粉症の季節を迎えて1年目では、作用が弱い方がおられます。2年目までは様子を見た方が良い場合もあります。ちなみに作用が有れば、3年から5年間の治療が必要です。

舌下免疫療法は全ての人に作用があるわけではありません。症状がかなり軽減する人が約8割で、約2割は症状がほぼなくなり薬が不要になります。残念ながら、1から2割の方には作用がみられず、中止することを検討しなければいけません。治療前に作用があるかないかは分かりません。現在、その研究は進められていますが、通常の診療に使われるには、まだ10年以上は先になるでしょう。

舌下免疫療法の作用がないと感じられる場合には、専任の医師にセカンドオピニオンを聞くのもよいでしょう。別の病気を合併しているために、作用が出にくい場合もあります。当院でも、セカンドオピニオンを受け付けています。