横浜市南区弘明寺のアレルギー科・耳鼻咽喉科
いでい耳鼻咽喉科医院

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【No.188】絵と光

今、私は転居を考えています。先日、賃貸マンションを色々と見せて頂きました。そこで、少し不満に思い、なかなか借りる決断ができませんでした。なぜなら、窓がない小さな部屋が1つあったからです。新しいマンションでは、構造上仕方がないこともあるそうです。

話は変わりますが、皆さんが最も好きな画家は誰でしょうか?

モネやルノアールなどの印象派、ゴッホ、ゴーガンなどの後期印象派、フェルメール、ミシャあたりを挙げた方が一番多いのではないでしょうか?他には、絵に詳しい人はカラバッジョ、レンブラント、ダビンチやラファエロなどのルネッサンス画家を挙げられた方も。 




これらの絵の共通点は何か考えていましたが、やっと発見しました。


それは光!


昔は電気が無く、せいぜいろうそくの光くらいで、部屋の中は今よりもだいぶ暗かったのです。特にヨーロッパでは緯度が高いため、冬は夜がとても長く寒いのです。また、寒冷地では、防寒のために窓が小さい。だから、部屋の中はとても暗い。窓の無い部屋があることもありました。



そんな暗い部屋を明るくするには、明るい風景などの絵を飾りたくなります。

印象派や後期印象派の画家は、光にとことん集中して名画を描きました。他にもフェルメールは、代表的な絵には必ず窓があり、光が部屋の中に注いでいます。




ヨーロッパの教会の中は、昔は暗く、冬はとても寒い場所が多かったのです。それは天に声をしっかりと届けるために、天井が高いことも理由のひとつでした。温かい空気は上に上がっていきます。だから冬は凄く寒い。ルネッサンスの画家などの教会にある絵は、光を神と捉えて、光が地上の人を照らす絵をたくさん描きました。もちろん、聖書や聖人の話を教えることが、教会の絵の一番の目的でしたので、キリストの苦難の絵などの方が遥かに多いです。でも、日本人に人気のある絵は前者です。



光は神聖なもの、有難いもの。

現在の人が忘れていたものであり、停電になったり山奥にでも行かない限り自覚することはありません。

でも、昔の絵を理解する時には、絶対に必要なことなのです。光はたくさんのものを与えて下さる無くてはならないもの。その気持ちを全身で感じて、天や神からの恩恵だと感じ、感謝をも表現していると考えたい、と私は個人的に思います。

当たり前と思っていることの方が遥かに大切で、感謝しないといけないことに気付かされます。