2021/05/26
休診日に小学校の健康診断に行って来ました。学校健診で耳垢栓塞と言われた場合は、耳垢が多くて鼓膜が確認出来ないか、家庭では取れそうにない場合です。
私が耳垢栓塞を指摘するのは、以前は耳掃除をしていない子供ばかりでした。しかし、最近では耳掃除をやり過ぎている子供に多い気がします。
耳垢はたいていは自然に排泄されていきます。ですから、頻回には耳掃除は必要ありません。特に市販の綿棒の先は子供には大き過ぎて、耳垢を掻き出すことが難しく、押し込んでしまうことがよくあります。押し込まれ続けた耳垢はだんだん硬くなり、簡単には取れなくなっていきます。無理に取ろうとすると痛みが出ます。耳垢が鼓膜までくっついてしまうと、鼓膜の振動が悪くなり聞こえが悪くなります。
先週、耳の穴の奥に綿棒の先の綿が入ったままになっていて、聞こえが悪くなっていた子供がいました。これは綿棒の先の綿が大き過ぎるか、擦りすぎて綿が外れてしまったのです。これは大人にも見られます。市販の綿棒は棒の先に綿を糊付けしただけなので、強く擦ると外れてしまうので、充分に注意して下さい。
少なくとも小学生になるまでは耳の掃除は不要です。小学生では気になれば、耳の入り口の部分だけ軽く取っても構いません。子供が急に動いた時に鼓膜を破ってしまうこともありますので注意して下さい。綿棒ならばたいてい大丈夫ですが、竹などの耳かきだとおこることがあります。
中学生になれば、耳掃除は本人に任せても構わないでしょう。
いずれにしろ、なかなか耳垢が上手に取れない時には、気兼ねなく耳鼻咽喉科を受診して下さい。