2022/07/20
最近、若い女性の患者からの訴えに多いのが、ニオイ玉。ニオイ玉は、扁桃やその周囲に溜まる、白くてクサイ、小さなかたまりです。歯とは直接的には無関係です。ちなみに、ニオイ玉は正式な医学用語ではありません。
皆さんが扁桃腺と言っているものは正式には口蓋扁桃といいます。左右に2つあり、子供の頃には大きいのですが、7歳をピークに小さくなっていき、大人になるとよく見ないと分からないくらいになります。でも大人になっても、口蓋扁桃が小さくならない人もいます。これは、たいていは遺伝ですが、何らかの原因で炎症を繰り返していることもあります。
口蓋扁桃は、細菌やウィルスと闘い、免疫を獲得する場です。扁桃とは、食べるアーモンドと言う意味で、形が似ているから名付けられました。表面には小さな穴がたくさん開いていて、ゴルフボールみたいです。その穴の中に白いカスが溜まり、口の中に出てくるのがニオイ玉。
ニオイ玉の正体は、細菌や免疫細胞の死骸、粘膜のアカ、食べ物のカス。全て身体の害にはなりません。自然に排泄されます。ニオイはクサイですが、他人は決して気付きません。
まぁ放っておけばいいのです。でも、気になるようでしたら、耳鼻咽喉科で取ってもらっても構いません。
もしも、痛みや熱が出たら、細菌感染などの扁桃炎で、辛いようでしたら、抗菌剤などの薬が必要です。
もしも、ニオイ玉が徐々に大きくなって、痛みがだんだん強くなってくるようでしたら、ガンのこともあります。最近では、若い人に扁桃腺周囲のガン(中咽頭癌)が増えており、ヘルペスウィルスや性病と関係があることが分かってきました。このような症状が出たら、耳鼻咽喉科を受診して下さい。