2022/11/18
高齢者でにおいが分からなくなってきた、という患者さんが増えてきました。歳だからと、すぐには諦めないで下さい。まずは耳鼻咽喉科で原因の検査を受けて下さい。原因がわかれば、症状に合った治療に繋がることも多いです。
においがしない(嗅覚障害)原因としては、風邪、副鼻腔炎、花粉症などのアレルギー性鼻炎以外にも癌などの腫瘍のこともあり、注意が必要です。現在では、新型コロナウィルス感染後に起こることは知られていますね。
でも、嗅覚障害の原因が分からない場合もあります。高齢者では認知症やパーキンソン病の早期である場合があります。更に、これらの病気の発症前に、嗅覚障害がでる人もいることが分かってきました。
脳のにおいを理解する場所は、認知症で最初に障害される場所(海馬など)と近く、密接に関係するからなのです。ですから、原因が不明の嗅覚障害の場合には、認知症の検査や脳MRIを勧めさせて頂くこともあります。早く発見出来れば、早めの治療に繋がり、これからの人生をより豊かなものにすることができます。
特に早期の認知症の場合には、カレーやメンソールの香りが最初に分からなくなることが多いことが知られてきました。ですから、たまに自分でもチェックをされると良いでしょう。