2023/02/06
昨日来られた患者さんは、長年花粉症で苦しまれていたため、受診されました。今まで、アレルギー検査は受けたことは有りませんでした。アレルギー検査をしてみると、何と原因はスギ花粉ではなく、ハウスダストとダニでした。
こんなことは決して少なくはありません。花粉症とハウスダスト(以下ダニも含めます)では対策が全く逆になることが多いので、注意する必要があります。花粉症ならば、換気を少なく、洗濯物や布団は干さない、出来るだけ外出は避ける。ハウスダストは全く逆の対応が必要になります。
先例の患者さんは、全く逆の対応をしていたことになります。そして、当然のことですが、アレルギー症状が改善しないばかりか、悪化してしまったのです。
なぜハウスダストの患者さんがスギ花粉症と勘違いすることがあるのでしょう。それは、ハウスダストが花粉症の時期に増えることが少なくないからです。
11月から3月の花粉症で一番の原因はスギ花粉です。11月から12月はまだスギ花粉は少ないですが、飛散することがあり、重症のスギ花粉症の方は症状が出てきます。つまり、スギ花粉症のシーズンは寒い季節とも言えます。寒い季節は、服や布団が分厚くなり、換気が少なくなり、乾燥し、暖房の部屋に長い時間いることが多くなります。そのため、室内のハウスダストは増え、ハウスダストを吸い込む時間も長くなっていき、アレルギーの症状が悪化するのです。
スギ花粉症だと思っている人も、まだアレルギー検査を受けていない方は、ぜひ一度受けてみて下さい。アレルギーで最も大切なことはアレルギーの原因を避けることです。全てのアレルギー症状は、アレルギーの原因(花粉やハウスダストなど)を追い出すために出ています。ですから、自分のアレルギーの原因を知ることは大切なのです。