横浜市南区弘明寺のアレルギー科・耳鼻咽喉科
いでい耳鼻咽喉科医院

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【No.107】花粉症、薬が効かない!

今年のスギ花粉が大量飛散のため、薬を飲んでも作用が少ない患者さんが、多数来られます。そんな方にアドバイス!

①まずは、今一度、花粉を付けないようにしっかりと努力して下さい。
どんなに重症の方でも、付く花粉の量を減らしていけば、症状は消えていきます。花粉症の季節が終われば、症状はなくなることから分かって頂けるはずです。

②他の病気を合併しているか、確認をしてもらいましょう。
特に多い病気は、鼻の中の骨や軟骨が曲がっている鼻中隔湾曲症、以前蓄膿症と言われていた急性副鼻腔炎、喘息の人は鼻茸というできものが鼻の中にできる好酸球性副鼻腔炎、市販の点鼻薬を使い過ぎて鼻の粘膜は腫れっぱなしになる肥厚性鼻炎。花粉症の季節が終わっても、改善しなければ、他のアレルギーを合併しているか、癌などの腫瘍があるかの確認が必要になります。

③花粉症の薬を変えてもらいましょう。
第二世代抗ヒスタミン剤かステロイド点鼻薬から治療は開始します。作用が悪い場合には、第二世代抗ヒスタミン剤薬をより強いものに変更することが多いですが、副作用の眠気には注意が必要です。また、鼻詰まりや咳が強くなるようならば、抗ロイコトリエン薬を併用します。それでも作用がみられない場合には、稀ではありますが、ステロイドの入っている薬を短期間か頓用で使うこともあります。

④生物学的製剤ゾレアの筋肉注射。
新しい、最後の砦になっている治療です。花粉症をおこしてしまう主な免疫であるIgEだけを大きく減らします。適応判定は厳しく、①で述べた薬を使っても全く作用のない最重症の花粉症の患者が適応です。この治療が出来る医療機器は限られていますので医療機関に問い合わせて下さい。ちなみに、当院では治療は可能です。

※注意すべきこと

舌下免疫療法や皮下免疫療法などの根本的な治療は、オフシーズンの5月から11月までには開始する必要があります。

レーザー治療は、花粉症の症状が強くなってからでは作用は少なく、強くは勧められません。妊娠初期など薬を使えない特別な場合に限られます。スギ花粉症に対してのレーザー治療は、症状が出る前の11月から1月が適しています。

ステロイドの注射は、治療ガイドラインの中でも好ましくない治療と述べられています。それは免疫力全体が下がる可能性が高く、新型コロナウィルスなどの感染症に対して不利になるばかりではなく、様々な副作用があるからです。