2024/04/17
アメリカ合衆国の初代大統領は?
そうワシントンです。その名は、首都のワシントンD.C.やワシントン州の名前にもなっています。
そんな偉大なワシントンの死因はあまり知られていません。誤った医療である瀉血(血を抜かれる)をされたこと、急性喉頭蓋炎のどちらかと言われています。
急性喉頭蓋炎は耳鼻咽喉科が専門で、救急外来でも極めて緊急性が高く、死にいたる病気なので、分かりやすく解説していきます。
まずは、喉頭蓋とは?
喉頭は喉仏の、咽頭と気管の間にあり、声を出す場所です。喉頭蓋は、その喉頭の上にある部分で、嚥下する時に、食べ物や唾液が気管に流れ込まないように、上から蓋をします。慌てて食べるとむせることがあるのは、しっかりと喉頭蓋がふたをされる前に、飲み込まれたため、食物などが、気管に入り、咳で追い出そうとしているものです。
その喉頭蓋に炎症がおき、膨らんで、空気が気管や肺に入らなくなるため、急に呼吸が出来なくなり、窒息することがあるのです。まるで、首を絞められでいるようなものです。
症状は通常の風邪のような咽頭痛や発熱以外に、のどの奥が詰まった感じ、声が出にくい、飲み込む瞬間の激痛と息苦しさが特徴です。また、喘息とは逆に、空気を吸う時に呼吸が苦しくなります。
原因は、大抵が細菌やウィルスの感染です。まれには、薬などでのアレルギーのこともあります。
耳鼻咽喉科では、外来で内視鏡をして、簡単に診断を付けられます。
治療は強力な抗菌剤にステロイドを追加します。呼吸困難になる危険性があるため、原則入院治療が必要になります。危険な時には、気管切開をすることもあります。
小児は気道が狭いため、急速に呼吸困難になり、亡くなる頻度がより高くなります。
ワシントンは戦場での過労、睡眠不足に、瀉血で体力や免疫力が低下し、急性喉頭蓋炎を発症したのではないか、とも考えられます。