2024/07/01
今までは、耳鼻咽喉科では、耳鳴りがあっても気にしないように、指導されてきました。
でも、気にしないようにしようとすればするほど、逆に意識してしまい気になるものです。
そこで、当院では、気にしないよりも、他の音を気にしたり、他のことに注目する指導をしています。
さて、皆さんに質問をします。
何時も使っている駅周辺の看板に何が書いてあったか思い出せますか? そして、その数はどのくらいでしょうか?
ちなみに、私は乗客数世界一の新宿駅を毎日使っています。その周囲にある看板の数も無数にあります。それでも何が書かれていたか正確に言えるのは5つ以下です。
皆さんはいかがでしょうか?
さほど変わらない方が多いのではないでしょうか。
何故、思い出せないのでしょうか。
関心がない。
あまり大切とは思えない。
つまらない。
不快な看板もある。
何より忙しい。
こんなところでしょうか。
耳鳴りもそんな看板と同じように考えられたらいいのです。
そこで、耳鳴りを忘れるトレーニングを考えてみました。マインドフルネスの考え方を応用します。
今、皆さんが聞こえている音は、たくさんはずです。あまり音がしなければ、屋外などある程度音がたくさん聞こえるところに移動しても構いません。
そこで、1つの音だけに集中して、20秒間聞きます。例えば、風、空調、音楽、車、周囲の人の言葉、鳥の囀り、時計などのうち1つ。
次に、別の音も同じように聞きます。更に他の音も同様にして聞いていきます。
上手になったら、出来るだけ早く、確実に切り替えられるようにしていきます。
もしも、上手く出来ない場合もあるでしょうが、諦めないで下さい。例えば風の音に集中している時に、他の音が気になってしまったら、心の中で風の音、風の音、と唱えて、風の音に戻ります。
耳鳴りが気になってきたら、同様のことをして、他の音に集中します。速やかに別の音に集中出来るようにトレーニングして下さい。