2024/07/08
ダイビングで耳抜き不良のために、苦労されている方はたくさんおられます。私自身、ダイビングで左の耳抜きで大変苦労しました。親友の医師でプロダイバーの三保先生から色々と指導を受け、今では耳抜きのプロ(笑)のようになりました
耳抜きが不良の原因は2つあります。耳管の通りが悪いか、耳抜きのスキルが十分でないかです。
耳抜きが不良の場合には、まずダイビングに詳しい耳鼻咽喉科医を受診して下さい。
まずは耳と鼻の中を診て、その後でいくつか検査があります。一番大切な検査が耳管機能検査です。この検査について詳しい人はほとんどいないので、今回は、この検査について書きます。
耳管とは、鼓膜のすぐ内側の中耳と、鼻の奥にある上咽頭とを結んでいる管です。
耳管機能検査とは?
耳管の通りが良好かを検査します。まず鼻の中に音を入れます。その音が耳管を通り、耳の方から聞こえるかを調べます。
通常の状態なら、耳管は閉じているので、鼻から耳まで音が伝わりません。つばを飲んだり、水を飲んだ時に、耳管は一瞬開いて音が耳まで伝わり、すぐに閉じます。
耳管が開かないと、鼻から入れた音は、耳まで伝わりません。この場合、耳管狭窄症という病名がつきます。(逆にいつも耳管が開いていている人は、自分の声や呼吸の音が聞こえ、耳管開放症と言われます。)
ダイバーは、耳管機能検査で、バルサルバ(耳抜き)をして頂きます。そしてバルサルバ中に、以下のことを確認します。
鼻から入れた音が、耳管を通過して、しっかりと耳まで伝わっているか?
その時間が速いか?
持続時間は十分か?
強さは?
これで、耳管機能の異常か、スキルに問題があるかを確認します。
その結果で、スキルに問題があれば、その人に合った、指導をすることになります。その際、オトヴェントという、鼻で風船を膨らませる器具を使うこともあります。
耳管機能が悪い場合には、更にその原因を調べ、治療を行うことになります。しかし、稀ではありますが、ダイビングを行うことは難しいと判断する場合もあります。