横浜市南区弘明寺のアレルギー科・耳鼻咽喉科
いでい耳鼻咽喉科医院

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【No.191】新宿駅のトイレで

仕事に行きたくない!

誰にでも、そんなことを思ってしまう日があります。

私もその日の朝は、色々と問題が山積しており、ストレスが溜まっていて、そんな心境だったと思います。

当時、私は新宿駅を毎日使っていました。いつものように凄く混雑していた冬の朝のこと、何気なくトイレに入ったところ。小便器の前に座って、ゴシゴシと擦って、一生懸命に掃除している小太りのおばちゃんがいました。そこまでは、よくある話。

キタネー!
おい素手で洗っているぜ!
男子高校生2人組がそう大きな声で叫んでトイレから出ていきました。でも、おばちゃんは何も無かったかのように掃除を続けていました。

私は少し立ち止まり、用をたさずにそのままトイレから出ました。少しでも汚したくはなかったからです。別に、トイレに行かなければならないほどの緊急性はなかったのです。

その後、なぜか涙が止まらなくなってしまいました。

そのおばちゃんから教わったこと。

① どんなに辛くても、やらなきゃいけない時は、結局はやるしかない。余計なことを考えるだけヤボだ。嫌だ、嫌だ、と考えることは意味がない。無駄でしかない。自分を更に苦しめてしまうこともある。もうそんな無駄なことは考えないようにしよう!

② 人からどんな酷いことを言われても、やるべきことをやり続けて、終わらせる。それが仕事だ!

③ 本来望んだ仕事ではない仕事のこともある。それでも、しっかりとやるのが仕事だ!

私は、涙を拭いて、電車に飛び乗ることが出来ました。

久しぶりに、たまたま新宿駅の同じトイレに入ったときに、このことを思い出しました。

トイレの中では、おばちゃんがしゃがんで掃除をしていました。同じ人かどうかは、顔をよく見なかったので、分かりません。その手には茶色の手袋がついていました。パッと見には素手のようにも見えます。前回のときも手袋はつけていたんだと思います。高校生の言葉を聞いて、少し気が動転して、私がよく確認出来なかったのでしょう。少し安心しました。