2021/03/11
当院にはたくさんの花粉症の患者さんが来られます。自分では花粉症だと考えている患者さんの中で、今まで1度も花粉症の検査を受けていない方もおられます。そんな患者さんにアレルギーの検査をしたところ約12%は花粉症ではありませんでした。
このような患者さんは市販の花粉症の薬が効かず、医療機関での薬も効きが悪く、目の症状が軽いのが特徴です。花粉症ならば、市販のアレルギーの薬でもある程度は効くはずですから、全く効果がないことは花粉症としてはおかしいのです。
鼻のアレルギーの原因は、スギ花粉だけではありません。他の花粉やハウスダスト、ダニ、カビ、ペットなどがあります。出来るだけアレルギー検査を行い、原因は明確にして、症状が出にくい生活スタイルを目指して、医療機関で治療方針を決めてもらい、薬も症状に合ったものを選んでもらって下さい。
例えば花粉症とハウスダストでは対応が全く逆です。花粉症ならば出来るだけ室内にいた方が良く、ハウスダストならば出来るだけ外に出て換気をしっかりすることが理想的です。原因により、気をつけることがだいぶ違うことが分かっていただけたと思います。無駄に薬だけを飲んでいても、効果が少なかったり、長期に薬が必要になってしまったりします。また原因となるものを避ける努力をしないと重症化して、他の原因にもアレルギーをおこしやすくります。他のアレルギー疾患である喘息、皮膚疾患、食物アレルギーなども出やすくなってしまう方もおられます。
アレルギーの検査は何度もする必要は無いですが、まだ受けられていない方はぜひ受けられることをご提案します。