2021/03/17
くしゃみ、鼻水、鼻詰まりがあり、多数の医療機関を受診しても、なかなか良くならない患者さんがおられます。たいていは重症のアレルギー性鼻炎ですが、他の疾患のこともあります。
先週来られた30代の患者さんもそんな1人でした。2 年以上前からアレルギー性鼻炎の症状が続いていました。アレルギーの検査やレントゲンでは正常でした。病名は血管運動性鼻炎。聴き慣れない病名でしょうが、少なくはありません。自律神経の乱れと考えられています。主な原因は、急激な温度差、乾燥、精神的なストレス、疲労、不規則な生活。治療としてはアレルギー性鼻炎と同じ薬を使います。ですから、大抵の患者さんはアレルギー性鼻炎だと信じています。軽症の場合はこの治療が良く効きます。でも重症な場合には効果がなく、原因を突き止め、改善をしていかなければいけません。
先程の患者さんの原因は過度のストレス。話しをしていくうちに、2年前にはストレスで体がスムーズに動かせずに、心療内科で治療を受けたことを教えてくれました。そこで、今までのアレルギー性鼻炎の薬などを全て中止して、精神安定剤1種のみを処方しました。あまり深刻に考え過ぎないようにする生活指導もしました。その後症状は改善しているようです。