2021/05/17
今は新緑がキレイですね。皆さんはそんな木々を見ると、葉の美しさばかりに目が行くのではないでしょうか。葉を支えている枝や幹にまで関心を示す方は少ないでしょう。枝や幹にも葉と同じ色が入っていて、なかなか素敵ですよ。私は絵を描くことがあり、枝や幹にも葉と同じ色をのせます。
そんな木のかなりの部分は死んだ細胞で出来ている、ということを知っていましたか?幹の中心で、年輪と言われているところは元々死んだ細胞が集まったものです。そして、その部分を木材として、人類は家や家具をつくる時などに使用してきました。生きている細胞は、葉や花、枝や幹では浅い表面に近い部分、根にあります。つまり、古い死んだ細胞のかたまりに生きている細胞の服を着ているようなイメージだと分かりやすいかもしれません。だから、木の中心部が鳥や虫などに壊されても、木は生きていくことが出来るのです。
今回はそんな幹について注目してみましょう。根から水を上に運ぶ道管や逆に栄養などを下に運ぶ師管は生きている細胞の集まった外側の部分にあります。中心の年輪のところにはありません。木材で管のように見えるところは元は枝だったところです。ゴムやメープルシロップ、漆などは生きている幹の皮の部分を傷つけて、液を採取します。
幹の細胞の一部は死んだ後も、中心に残り、新しい生きた細胞を支え続けています。一番古い細胞は年輪の中心にあり、屋久杉などの大木では数千年もの間頑張っています。
人類などの動物は、大半の古い細胞はすぐに排除してしまいます。木とはだいぶ違いますね。もっと古い物や古い知識を大切にして、利用していくべきだと、木から教わります。
今回は木の話しをしましたが、たまには他の角度から見つめてみる努力をして下さい。全く違った面を発見し、日常生活が新鮮に感じられますよ。周りの人に対しても、他の視点から見てみましょう。上手に付き合えなくなった時には、木だと思って見て下さい。人はとかく表面だけを見て、他人を評価しやすいもの。葉や花のように目立つところにばかりに目が行きます。でも、本当に大切なところは中心の別なところにあるものです。その部分は簡単には見えませんよ。見ようと努力しないと、分かりません。いいことばかり言って上部だけ整えている人は詐欺に多いので注意しましょう。自分のことを支えてくれていたり、仕事のことをしっかりと考えている大切な人を間違えて判断しないようにして下さい。