2021/06/18
風邪をひけば声がかれることは誰にでも経験がありますね。今回は細菌やウイルスの感染がなくても声が出にくいことについて話していきます。
一番多いのが、声帯の炎症。原因としては、しゃべりすぎ、無理な発声、乾燥、喘息などによる咳。
まず大切なことは、声が変な時には出来るだけ声を出さないようにすること。軽い炎症ならば、それだけで声は戻ってきます。
無理な発声には色々あります。子供の場合は、大声を出して声がかれ、戻らないケース。この場合は左右の声帯に小さなコブができている声帯結節です。大声を止めて、自然治癒が期待できる思春期まで待つことになります。手術や薬を飲んでも、大声を出すのを止めない限り再発してしまいます。
歌手の方やカラオケが趣味な方は、無理な音域まで声を出していたり、エアコンの強い室内で歌いのどが乾燥してしまったり、緊張して歌うなどが原因になります。適時水分を補給して、アルコールを飲みすぎないようにして下さい。アルコールは尿がたくさん出て、脱水になり、喉は乾燥します。
お勧めの発声法は、お腹からゆったりと自然に出る声を出すこと。大声や怒鳴り声だけでなく、ささやき声も喉には負担になります。腹筋の運動をしながら、1.2.3と声を出すトレーニングがお勧めです。お腹も凹み、一石二鳥です。
声帯ポリープは教員、保母、小さな子供のいる母親などに多く見られます。片側の声帯にコブが出来てしまう病気ですが、たいていは無理な発声で2つの声帯が強くぶつかり、内出血が起こることから始まります。
タバコを吸っている方は、声帯の全てが腫れ上がって、戻らなくなってしまったポリープ様声帯の場合があります。もちろん禁煙が第一です。自ら禁煙が難しい方には、禁煙を手助けしてくれる薬もありますので、医師に相談して下さい。
咳も怒鳴っているのと同じくらい、喉に負担になります。喘息などで咳が続いている時には、治療を受けましょう。
声がれが長く続いている場合には、喉頭癌や咽頭癌などの危険な病気のこともあり、速やかに耳鼻咽喉科で内視鏡検査を受けて下さい。最近では新しいNBI内視鏡で検査をすることが多く、ごく早期の癌まで発見できるようになりました。