2021/06/22
新型コロナの感染後に嗅覚障害や味覚障害が多く出ることはお聞きになったことがあるかと思います。通常の風邪でもよくあることですが、明らかに頻度が高く、新型コロナの感染を疑う症状の1つになっています。嗅覚障害には、においが全くしないか弱い、変なにおいがする、別のにおいに感じる、ある種のにおいがしないなど様々です。味覚障害も全く味がしないか弱い、いつも変な味がする、別の味に感じる、どんな料理も不味い、甘さなど一部の味がしないなど様々です。
それでは、においや味覚が落ちた場合はどうすればいいのか?
咳、発熱、倦怠感もある場合にはまずPCRなどの検査を受けて下さい。その様な症状が無ければ、他の人に感染させる可能性がなくなると考えられている10日間を経過しても良くならない場合に耳鼻咽喉科を受診しましょう。最初から鼻詰まりなどの鼻の症状がなく、心配でしたら早めに同検査を受けても構いません。当院では新型コロナの検査をやっていませんので、保健所や近隣の医療機関に電話してから受診するようにして下さい。
新型コロナに伴う嗅覚障害は2カ月以内には約95%は治ることが分かってきました。ですから、慌てて治療を受ける必要はありません。しかし、残りの約5%は大変治りにくく、様々な治療が試みられていますが、永続的な障害になる可能性があると考えられています。
新型コロナの味覚障害は、ほとんどが嗅覚障害に伴って風味が感じられなくなったものだ、と考えられるようになってきました。ですから、嗅覚が改善すれば大半は良くなっていきます。
2週間経過しても嗅覚障害や味覚障害が改善しない場合には、耳鼻咽喉科を受診して、原因を明らかして、症状に合った治療を受けるようにして下さい。