2021/06/28
誰でも認知症にはなりたくないものです。現実には65歳以上の約15%は認知症ですし、もっと若くても認知症になる方もいらっしゃります。ですから人ごとではありません。今回は耳鼻咽喉科疾患を中心に認知症との関連についてお話していきます。
中年期の認知症の最大の危険因子は難聴であることがはっきりしてきました。幼少から難聴のある方は補聴器や手話など特別な訓練を受けていますから、心配はいりません。今まで聴力の良かった方が聞こえづらくなった場合に認知症の危険因子になります。聞こえ辛くなると、人との会話を避けるようになり、テレビも1人で見ることになり孤立化していき、頭をあまり使わなくなることが原因と考えられています。耳鼻咽喉科で検査と治療をしっかりと受けて下さい。しかし、残念ながら治すことができないこともあります。大半は加齢によるものか、遺伝で早めに聴力が落ちてる場合です。その場合は補聴器を使うことになります。当初は恥ずかしいとためらう方も多いのですが、最近の補聴器は小さく、軽く目立たなくなっています。また、早めに使った方が補聴器に早く慣れていきます。
特に補聴器を購入する前に注意して欲しいことがあります。片側だけで40万円以上するような補聴器をデパートなどで買わされたり、通販で安い粗悪品を買って使えなかったりする方が後を経ちません。補聴器は直ぐには買わず、まずは耳鼻咽喉科で検査を受けて、本当に補聴器が必要か確認してもらって下さい。そして、出来れば補聴器を無料で2週間程度借りて体験してから、使うかどうか充分に検討して下さい。補聴器はメガネと違い、買ってお終いでは無く、その後数ヶ月から半年間をかけて調整をして、自分に合う補聴器を作り上げて行きます。定期点検も必要です。
信頼できる耳鼻咽喉科医院を受診して、認定を受けた補聴器の店で補聴器を購入するようにして下さい。