2021/07/31
昨日、70代半ばの男性の患者さんが奥様と一緒に来院されました。中等度の難聴があり、補聴器を付けてだいぶ聞こえるようになってきました。でも、もう一つ人のことばが聞き取れないことがあるようです。
耳が音をしっかりと受け取り、その情報を脳で理解することで、本当に聴くことができます。
皆さん、語音明瞭度検査を知っていますか?最初に行われる標準純音聴力検査は様々な単純な音が聞き取れるか検査しています。語音明瞭度検査は単純な音の代わりにことばが聞き取れるかを検査します。
最初に行われる標準純音聴力検査は主に耳だけの機能、語音明瞭度検査は更に脳の機能も加味しています。
最初の患者さんは、語音明瞭度検査の結果が特に悪かったです。若い頃に塗装業をしていて、引退した後はあまりすることがなくて、のんびりと自宅で過ごしていました。特に趣味はないそうです。
高齢になってからも頭をしっかりと使わないでいると、脳の機能が低下して、認知症になってしまうリスクが急速に高まります。
補聴器は耳に入る音を大きくするだけです。補聴器を使っても、脳の力が低下すると、ことばを理解出来ずに、うるさいだけになってしまうことさえあります。
ある程度高齢になったら、脳トレをして下さい。計算問題、数ドク、パズル、詰将棋などです。
お勧めは、新しい趣味や運動にチャレンジすること。新しいことをすると脳が活性化します。覚えることもたくさんありますから。スポーツジムなどで色々なダンスを習うと、振り付けを覚える必要があり、運動にもなり一石二鳥です。
若い頃にやりたかったけれど、やる機会がなかったことにチャレンジするのも素晴らしいことです。人生に悔いが残らないようにして下さい。