2021/11/12
みなさんは健康診断を受けられることがあると思います。その時の聴力検査についてお話をします。
健康診断の聴力検査はあくまでも簡易検査で、正確とは言えないことがあります。一般の健康診断では1000Hzと4000Hzの 2種類の音程だけで検査をします。1000Hzは人の声と同じ音程で最も大切です。4000Hzは高音で大きな音を聞いている人や高齢者など一番悪くなりやすい音程なのです。
つまり健康診断では、低音は全く検査をしていませんし、4000Hzよりも高い音も検査をしていません。健康診断の聴力検査で正常と言われても、自信がないならば耳鼻咽喉科でより詳細な検査を受けて下さい。異常と言われても、実際には正常のことさえあります。
耳鼻咽喉科では、防音室でより多くの音で検査し、難聴の程度も確認します。更に異常がある場合には、言葉が実際に聞き取れるかを調べる語音明瞭度検査、鼓膜の検査のチンパノメトリー、中耳とのどをつないでいる耳管の機能検査などを行っていきます。更にCTを撮ることもあります。どこが悪いのか、何の病気なのか、なぜ悪くなったのか、を明らかにします。その上で、治療方針がたてられるのです。
健康診断で難聴を指摘された時はもちろん、正常と言われても聴力が心配ならば耳鼻咽喉科を受診して下さい。